プロ意識
コマーシャル分野に於けるフォトスタジオで画像製作を担当する筆者であるが、その業務の内容から広告パーツとしての女性モデルの起用に於いて、オーディションを行い、送付されてきた書類を審査する機会は頻繁にある。書類には必ず写真が添付されており、それを見て判断する基準となるものは、撮影当日、クライアントの求めるイメージを実現させる為に、様々な観点から推察して、リアルタイムで起点をきかせ、豊かな発想のもとアイデアを展開するだけの職業意識を持った人物であるかという事である。つまり、外見を重視するキャラクターモデルの才能以前に、コラボレーションの中でプロフェッショナルとしての教養を持ち合わせた人間であるかを判断する為に、オーディション写真というツールを使うのである。しかし、それらの多くは自身を広告に於けるパーツと捉えず、一人の女性として美しく見られたいと言う、非常に低次元な発想のもとに被写体となった撮影結果を見せ付けられるものが殆どで、そのため選考の方法は消去法という非常に消極的な便宜上の対策を余儀なく採らされる。これは、筆者に限らずあらゆる芸能分野に於ける関係者側の常日頃感じることなのではないか。であるのならメイクアップに於いも同様で、オーディション写真のメイキングは女性が美しくなる為の行為と捉えるのではなく、一人の職業人として応しい人間として見られる為に行う作業であり、つまりはより即物的な発想のもと遂行されるべきではないか。それには社会人として、基本的な意識を持ちコラボレーションの一員として活用性の高い人間として評価されることが前提となり、それが基本となってより高尚で美しいオーディション写真 メイクアップとして発展していくのではないかと考える次第である。芸能分野は決して特殊な世界ではなく、社会を構成する流通の中で機能する、無味乾燥な一機関として捉える客観性が、出演タレントにも求められるのは当然の事と言える。

